この部分は物語の中で初めて
「平和とは何か?」を、
登場人物一人ひとりが自分の言葉で語る部分です。
大事なことは「平和」
に対しての答えは1つではないところです。
人それぞれが「平和」に対してどう考えているかを
述べていくことが大事なんです。
大事なのは、
「これが平和です」と
ひとつの答えが示されないこと。
やさしさから生まれる平和。
信じる気持ちから生まれる平和。
安心して自分らしくいられる平和。
自然を大切にすることで保たれる平和。
それぞれのポコラが、
それぞれの立場で
自分なりの“平和”を語ります。
平和は、
誰かが決めて与えるものではなく、
一人ひとりが考え、感じ、選び続けるもの
なのだということを伝えたかったのです。
火のくにのポコラたちは、
目の前にいる人を信じたい、
という気持ちを何より大切にしてきました。
その心は、とても尊く、
本来は平和を生む力です。
けれど同時に、
その「信じたい心」が、
間違った方向に使われてしまうこともある――
そんな、少し苦い現実にも触れられます。
「信じること=いつも正しい」とは言いません。
“いまそばにいる人を大切にできなくなる信じ方”は、
本当の平和ではないのではないか
という、とても大切な問いを投げかけます。
平和は、心の中から始まる
「どうやって平和を守るか」という方法論ではありません。
一人ひとりの中にある
「平和を願う気持ち」そのものが、
最大の力になるという考え方です。
戦うための力でも、
相手を言い負かす正しさでもなく、
「こう在りたい」と願う心。
これから先、
イグニが迷い、
ポコラたちが選択し、
音楽が大きな意味を持っていくための
心の土台をつくるパートです。
ここで読む人たちに「平和とは何か」を考えたからこそ、
この後の出来事が、単なる冒険や対立ではなく、
考え方の問題として、「心」に響いて欲しいと考えました。
子どもにも、大人にも、
「自分にとっての平和」を
そっと考えさせてくれる、
とても大切な場面だと思っています。