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ポコラの大冒険へいわへのひびき6 (物語解説詳細版)

2026年1月26日

この場面は、
『ポコラの大冒険 へいわへのひびき』の中でも、
読んでいて胸が苦しくなるほど切なくなるシーンとして書きました。

「うらやましい」という、誰もが持つ気持ち

ひのくにのソリスは言います。

「“ほかのくにのポコラ”がもつ
“チカラ”を うらやましいと
おもっているのだ」

うらやましいと思うこと自体は、
悪いことではありません。

「たいせつなのは
“うらやましい”きもちを
どうするか?だよ」

 

うらやましいではなく

他人のもつチカラをだいじにおもうこと。

 

そして、この章で一番大事なところはここからです。

 

「“イグニ”は きもちが
つよい“ポコラ”だから
しんじすぎてしまうと
とんでもない“チカラ”に
なってしまうのだ…」

イグニは、まっすぐで、
信じる力がとても強いポコラです。

ヴォカリスは、
それを知っていたからこそ、
最初にイグニに近づいたのです。

 

洗脳は「気持ちよさ」から始まる

イグニはこう語ります。

「“マエストロ・ヴォカリス”の“うた”をきくと
“すっごくげんき”になるんだ」「“きもちもつよく”なって
だれにも“まけない”ってきもちになるんだよ!」

ここが、この場面でいちばん怖いところです。

イグニは、脅されているわけでも、
命令されているわけでもありません。

気持ちよくなっている。
強くなった気がしている。
認められていると感じている。

だから、疑えない。
だから、手放せない。

洗脳とは、苦しさではなく、
「高揚感」や「救われた感覚」から始まることがあるのだと、
私は伝えたかったのです。

 

「“いっしょになるため”には、ぼくたちも
おなじくらいチカラがないとね」

 

この言葉を聴いたポコラたちは

「イグニ」が変わってしまった事に対して

心から悲しみます。

 

ヴォカリスを心から信じてしまったイグニは

仲間から「孤立」してしまいます。

 

そしてこの「孤立」もヴォカリスが望んだことなのです。

 

強くなりたい気持ち 

認められたい思い 

うらやましさ

選ばれた存在になりたい

という願いに囚われてしまうと

信じてはいけないものに心を奪われてしまう
ということを伝えたいと思いました。

 

イグニは、
悪くなったわけではありません。
弱くなったわけでもありません。


大切なものを守ろうとして、
間違った言葉を信じてしまった。

それだけです。

そして、それはきっと、
誰にでも起こりうること。