今回の話は
「音楽の本質」を対立を描きました。
マエストロ・ヴォカリスの主張
音楽は「気持ちを動かすもの」
平和のためには強いリーダーが必要
平和は「争いのあと」にやってくる
みんなが同じ音楽を聴けば、安心できる
自分の音楽があれば、世界は一つになれる
つまり、
音楽=支配の道具として表しています。
コモティオ(音楽の神)の立場
音楽は「いろんな気持ち」をつくるもの
楽しい気持ちがあるから、反対の感情も生まれる
だからこそ、作り手は「戦う気持ち」を作ってはいけない
本当の力とは、憎しみを消す力
音楽には「愛」と「平和」が必要
だから
音楽=心を守るものとして描いています。
この47〜55ページの恐ろしさは、
ヴォカリスが間違ったことを言っていないように見える点です。
「安心できる」
「強いリーダーがいれば不安は減る」
「同じ音楽を聴けば分かり合える」
どれも、一見「正しそう」
でも決定的に違うのはここです。
誰の気持ちが守られているのかです。
ヴォカリスの音楽は、
自分の考えに従う人だけが安心できる。
反対する人を「間違っている側」に追いやろうとする。
「考えなくていい世界」を作ろうとします
これはつまり・・・
洗脳が完成する直前の構造です。
一方コモティオは、
不安も、違いも、迷いも消そうとはしません。
「同じじゃなくていい」
この一言が、
ヴォカリスの世界を根本から否定します。
◆ ヴォカリス側の危険なセリフ
「“おんがく”は“きもち”をうごかすものなんだよ」
「つよいリーダーがいれば、みんなあんしんする」
「ほんとうのへいわは、“あらそいのあと”にある」
「みんながわたしのおんがくをきけばいい」
支配するために言、自分の行為を正当化しようとしています。
◆ ポコラたちの素朴で核心を突く言葉
「ポコラのくらしに“つよい”“よわい”はないのに」
「どうしてそんなことを“イグニ”にいうの?」
「そんなかんがえ、まちがってるとおもうけど」
◆ コモティオの大事なセリフ
「“おんがく”は、いろんなきもちをつくるの」
「“たたかいたくなるおんがく”をつくってはいけない」
「わたしのちからは、“にくしみのおんがく”をなくすこと」
「すべてのおんがくに“あい”と“へいわ”を」
この物語のテーマそのものをコモティオが言います。
音楽は、心を動かす。
このページは
『ポコラの大冒険 へいわへのひびき』の中で、
もっとも緊張感のある場面です。
ここで描いたのは
「正義と悪」の戦いではありません。
“音楽とは何か”という事です。
ヴォカリスは言います。
音楽は気持ちを動かすものだ、と。
強いリーダーがいれば、
人は安心できるのだ、と。
たしかに、その言葉は魅力的です。
不安なとき、
誰かに導いてほしくなるのは自然なこと。
でも、コモティオは静かに否定します。
音楽は、楽しい気持ちだけを生むものではない。
うれしいからこそ、
悲しみも、怒りも生まれる。
だからこそ、
音楽をつくる者は、
“戦いたくなる気持ち”を
人の心に植え付けてはいけないのだと。
ポコラたちは言います。
この国には、「強い」「弱い」という考えはなかった、と。
その何気ない言葉が、
ヴォカリスの世界に嘘があることを見抜きます。
本当の平和とは、
誰かに従わせることではない。
違いを消すことでもない。
同じじゃなくてもいい
その違いを、
大切に思い合うこと。
47〜55ページは、
音楽は、
人を縛るためにあるのではない。
人の心を、
守るためにある。
この物語で
私が伝えたいところです。