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もう迷わない

なぜ「同じ教材」で伸びる子と詰まる子がいるのか

2026年8月14日

こんにちは、まるみえ先生こと中西美江です。

「この教材、去年のあの子はスラスラ進んだのに、今年のこの子は全然進まない…」

導入期のレッスンをしていると、こんな場面に出会うこと、ありませんか?

同じ出版社の、同じ教材を使っているのに。

同じくらいの年齢で、同じくらい真面目に練習してきているのに。

なぜか一方はどんどん進み、もう一方はある1ページでピタッと止まってしまう。

そんなとき、つい私たちは考えてしまいます。

「この子には、この教材は合わなかったのかな」
「もっと簡単な教材に変えるべき?」
「私の教え方が悪いのかもしれない」

でも、令和8年で34年、延べ3,400名以上の生徒さんと向き合ってきて、

私が辿り着いた答えは少し違います。

教材が「進まない」のは、教材のせいでも、生徒のせいでもない。


教材が想定している理解段階と、目の前の生徒さんの実際の発達段階との間に、

「ズレ」が起きているサインなのかもしれないと考えるようにしています。

「合わない=失敗」から抜け出す

教材にはそれぞれ「設計思想」があると考えます。

どの力を先に育てるか、どの力を後回しにするか、どの程度の負荷を「適切」とみなすか?

という、成長モデルが組み込まれています。

設計思想に優劣はありません。あるのは「向き・不向き」だけです。

この視点を持てるかどうかで、レッスンの景色はガラッと変わります。

「合わない=この子はダメ」ではなく、

「合わない=設計と発達段階のズレ」として、

冷静に、論理的に捉えられるようになるからです。

「停滞や詰まり」を、生徒さんの神経系の視点から見てみましょう!

私はレッスンを組み立てるとき、いつもポリヴェーガル理論を土台にしています。

人の神経系は、安全を感じているとき(腹側迷走神経系が優位な状態)にこそ、

学習や表現、他者とのつながりに力を発揮できる、という考え方です。

教材が「進まない」場面を思い出してみてください。

生徒さんは、譜面を前にして固まっていませんでしたか?

それは意志の弱さや練習不足ではなく

「わからない」「できないかもしれない」という予感によって、

神経系が防御的なモードに入ってしまっている状態かもしれません。

教材選びや指導法の工夫は、単なるテクニックの話ではなく、

生徒さんたちが「ここは安全な場所だ」と感じられるレッスンをどう設計するかという、

SEL(社会情動学習)とウェルビーイングにも直結するテーマだったのです。

教材は「使う」ものから「共に育てる」ものへ

私がこの講座でお伝えしたいのは、

教材を「順番通りに進めるもの」として扱うのではなく、

レッスンアイテムとして自由に組み立て直す視点です。

- 1曲を多角的に活用する

(テンポを変える、歌詞をつける、連弾にする、弾く音程の高さを変える、音符記号を変える)
- 難所の前に「橋を架ける」ように先回りして準備する。
- どうしても合わないときは、講師自身がアレンジして、課題を減らして確実に出来るようにする

これらはすべて

「教材のせいにしない・生徒さんのせいにしない」という

「それで良いよの哲学」から生まれています。

生徒さんを条件つきで評価するのではなく、

「今のあなたのままで大丈夫」という土台の上に、

少しずつ(poco a poco)力を積み上げていく。

その積み重ねの先に

教室のブランドプロミスでもある

「そして自分を好きになれること」があると、

私は信じています。

この講座でお話しすること

今回の講座「もう迷わないピアノ導入教材の活用法と指導のコツ」では、

- 教材が前提とする5つの「設計タイプ」の見分け方
- 詰まったときの3つのアプローチ(事前準備・教材魔改造・迂回教材)
- 私が実際のレッスンで使っているオリジナルメソッド「マイピアノ楽譜」
- 「変える/継続する/併用する」を迷わず判断するためのフレームワーク

を、ポリヴェーガル理論やSEL、ウェルビーイングの視点も交えながら、

現場で使えるかたちで具体的にお伝えしていきます。

講座が終わったあと、「明日のレッスンが変わる」

そう感じていただけることを、目標にしています。

次回は、教材の「設計思想」について、5つのタイプに分けて詳しくご紹介します。

それぞれのタイプが、生徒さんのどんな情動的なニーズに応えているのかという視点も

加えてお話ししたいと思います。

**講座情報**
「もう迷わないピアノ導入教材の活用法と指導のコツ」
講師:中西美江(まるみえ先生)

■ 2026年9月28日(月)10:30〜12:30/
主催:平瀬楽器藤原台センター